仕事

59歳、まさかの就活

hina

フリーランス10年目で来た無職の危機!

49歳で脱サラして、フリーランスを10年やってきた。

70過ぎてもこのままフリーランスを続けるんだと思っていた。

それがなんだか半年くらい前から状況がかわってきて、なんと59歳の今年からサラリーマンに戻ることになった。

12年前、脱サラ準備のために残業のない仕事に転職するため就活した時は、履歴書を20社以上も送って面接にたどり着いたのは1社だけだったのに、今回はオンラインで7件応募。そのうち面接までいったのが3件。就活2週間であっさり決まってしまった。

しかも、正社員。そして、家から自転車で通えるところ。
ラッキーだったとしか言えない。

ただ、諸々控除があって、手取りにすると収入は月8万円減ることになる。

夏に冷蔵庫とクーラーとガスコンロが立て続けに壊れて新しくしたので、そのローンが始まったばかり。
仕事で使うからと春に買ったカメラのレンズのローンもある。

これは副業しないと絶対まずい。

フリーランスを続けていれば全然余裕だったし、その収入がずっと続くと思っていたからカメラのレンズも買ったんだけど、人生何があるかわからない。

半年前から状況がどう変わったのかなんだけど、私の収入の9割を占めているクライアントさんの業績が思わしくなく、春まで持たないかもとのことだった。

ここではA社さんってことにするけど、A社さんとはもう5年一緒に仕事をしている。
端からは正社員のように見えるかもってくらい、看板をかついで深く関わらせてもらっている。

私の他にも外注さんが2人いて、同じように働いていて、まさか一人社長の会社とは誰も思わないだろうってくらい。
チームワークもとてもいいし居心地のいい環境。

社長が営業をしてくれていたので、これまでは私は営業をしなくても依頼された作業を在宅でしていれば収入は約束されていた。

それが夏前、最近の種まきがことごとく失敗だったということで、今年は私たちも営業をしてほしいと言われた。

フリーランスなら営業するのは当たり前なんだけど、5年も社会から遠ざかっていると、そう簡単には復帰できない。
営業して回っていると作業時間が削られる、フリーランスあるある。

60前にして交流会に参加?
マジで勘弁・・・

そんな気持ちだった。

好きなことで生きていく!?

とにかく安いホームページをたくさん引き受けるとか動画編集するとか、自分の収入プラスアルファーのお金を産み出さなければならない。

だけど今回
「WEB制作は手離れが悪いから今後受注はしない」
という決定。

YouTubeの動画編集を扱う会社ではないのでそんなお仕事もない。

そこで、私が営業しなくてもいいようにと与えられたミッションが
「WEB広告運用できるようになれ」
「これができなきゃお前の席はない」
ということだった。

まったく畑違い…
マジで無理!

ここで私の仕事について少し。

脱サラした時はアメブロ全盛期で、アメブロカスタマイズという仕事があった。
そこから派生して通販プラットフォームのサイト管理だったり、それに付随する小さな動画の制作だったり、セミナーの撮影と簡易編集をやったりしていた。
バナーの作り方講座とかサイト作成ツールの使い方講座なんていうのもやった。

全部50歳から独学でできるようになったんだけど、もうアメブロだけではダメだなと思った時にWEBの学校で、ゼロからちゃんとHTMLが書けるように教えてもらった。
それで、WEB周りと簡単な動画制作をひっさげて必死でやってきた。

WEBができるイコール「PC周りは何でもわかるんでしょ」と思われがちで、不得意なことでもわかってあたり前みたいに聞かれることが多かった。
それがすごいプレッシャーだったし、やりたくないこともたくさんあった。

サッカーが得意だったらスポーツ何でもできるんでしょ、っていうのと同じくらい乱暴な解釈なんだけどね。

営業しないフリーランス

営業が下手くそな私は一人では行き詰ってしまい、搾取されているんじゃない?って思うような目にもあったし、すっかり疲弊していた時に今のクライアントさんと出会った。

「クリエイターが営業しなくても、制作だけやっていれば食べていける環境」
それを作ってくれた。生活も安定した。

A社の社長はWEBのことはよくわからないけど、私ができることだからということで仕事を取ってきてくれた。
顧客コントロールも自分でしなくていい。
本当にありがたく、一生このクライアントさんのために働こうと思っていた。

始めは「好きなことで生きていく」のノリだったと思うんだけど、2~3年くらい前から「できるからやってるだけ」に変わっていた。

WEBからの派生で仕事が雑多になっていたのと、「やればできること」ばかりで「得意なこと」ができないことへのイライラ。
そういうのを自覚するようになっていた。

あんまり楽しくないけど生きていかなきゃならない。
まぁ、もしサラリーマンだったら、それが普通だよねと思って割り切ってやってきた。

そして今年
「やりたくないこと」が重なってしまった。

「営業」そして「広告運用」。

在宅で充分な報酬をいただけて時間も自由なら文句ないじゃん、と思ったりもするけど、「休み」が決まっていないと気持ちよく遊べないっていうのもある。

夜中だろうが関係なく仕事をすることも多々あったんだけど、「今日は休み」って自分で決めてても、他のメンバーは働いている。
好きに休んでいいよと言われていたのに、SNSに遊んでいる投稿をすると「なんか余裕あるみたいで嫌だな」とか、「サボってるみたいだよな」とか、余計な気をつかってしまう。

大義名分休みたい。

それが、就職しようと決めた一つの理由。

そしてもう一つの理由。

私は今年60歳になる。
今、クライアントさんが持ちこたえたとしても、たとえば私がもっと歳を取ってから全員解散ってことになったら、それこそもう就職なんてできない。
定年間近のおばちゃんを誰が正社員で雇うだろう?
吸収の速い前途有望な若者を採用したいに決まっている。
老体に鞭打って安い賃金でやりたくない仕事をするしかなくなる。

それならできるだけ早く安定した仕事に就いておこう。
無理しなくていい、淡々とこなせる仕事でいい。
そう思った。

それでも、これまでの恩義があるしとか、自由な時間がなくなるなとか、いろいろ考えてしまって、なかなか就活には踏み出せなかった。

やっと決心がついたのが12月だった。

2024年、59歳で正社員は見つかるの?

12年前の記憶から、就活は難航するだろうと思っていたので、とりあえず周囲には内緒で進めた。

求人のプラットフォームはindeedだけ。
いろいろ手を出すと履歴書登録がめんどくさいから。

仕事の合間にサクッとやらなければならなかったし。

応募の条件は3つ。
①正社員
②今の手取りと同等の収入
③自宅から自転車で通える範囲

まずこれで応募して、ダメだったら少しずつ条件を緩めていく。

どうして正社員一択かというと、職を失う確率が低いから。
60歳過ぎてから契約が切れて次につながらなかったら困る。

そして今の生活レベルを下げない収入を、まずは希望してみる。

けど、今の収入をサラリーマンに置き換えると、額面で30万円以上必要。
なので、正社員になれたとしても副業は必至だったので、通勤時間は短ければ短いほどいい。

そんな感じで条件を絞った。

採用されたら最高にうれしい!
っていうところから応募していった。

やりたいこととその3つの条件がバッチリ揃ったのがスタジオカメラマンだった。
そしてもう一つは、学校や幼稚園への出張カメラマン。
どちらも採用されれば、副業しなくてもいけそうな条件だった。

WEBじゃないの?って感じだけど、WEBはもういいかなって思ってる。

写真撮影は仕事で少しと趣味で丸3年やっていて、小さいけれどいくつか賞もいただいている。
就職して写真を撮る時間が減る分、仕事でできたらめちゃくちゃうれしいと思った。

3社とも従業員は若い人ばかりみたい。
ダメ元で応募してみる。

スタジオカメラマンは2件応募して2件とも面接までいけた。
カメラマンと言っても始めの1年はアシスタントで、カメラは持てないということだった。

そんなの全然OKだったけど、2件とも不採用だった。
どちらも子供相手のスタジオだったんだけど、子供が苦手そうに見えたのか、写真撮りたい圧が強かったのか、もっと若い人が採用されたのか、それはわからない。

出張カメラマンは、エントリーしたけど連絡なし。
この連絡がないってのがほんとに困る。
待ってても仕方ないので次行くしかない。

カメラマンにこだわって通勤距離を伸ばすか、別の職種にするか迷ったけど、たぶんカメラマンは若い人がいいのだろうと判断して候補から外した。

あとはもう経理以外の普通の事務でよかった。
淡々と仕事をして定時で帰って副業をする。

やりがいは置いといて、ストレスのない仕事がいい。

一般事務というより営業事務や外注・納期管理の経験が長いので、電話応対や接客もOK。

だけど、意外と事務の正社員は少なかった。
ほとんど派遣で賄ってるんだな。

本当に選択の余地がなく、あったらラッキー、即応募って感じ。

介護の資格を持っていて、フリーランスで食べていけない時期に2年間副業していたんだけど、介護の仕事はトラウマがあり怖くてやりたくなかった。

このお話はまた今度。

なんやかんやその後も近所の会社3件に応募して、3件ともすぐ不採用の返事をくれた。
そして最終的にとある施設の事務員に決まった。
家からはめちゃくちゃ近い。

面接のときの雰囲気がとてもよく、ここで働きたいって思った。

これまでの経験で感じたことだけど、受験で合格する時も、仕事に採用されるときも、「ここ、いい感じだな」「スムーズだな」って思ったところに決まるみたい。

面接でお話した人と実際に一緒に仕事をする人は違うかもしれないので、そこは少し不安ではあるけど、とりあえず決まってよかった。

3月までに決めたいとは思っていたけど、あっさり年内に決まってしまったので、A社の社長にも連絡しないといけない。
収入が減る分の補填として8万円分の仕事をもらうことが希望。

A社さん的にも私に払う報酬額が減るので、助かるのではないかという勝手な憶測。

私って昔からなんだけど、こういう時、ほんとに厚かましいのだ。

本心はどうかわからないけど、A社の社長は就職を喜んでくれた。
定年になって再雇用期間も終わったら戻ってくればいいよと言ってくれた。
補填分の仕事もいただけるとのこと。
本当にありがたいと思う。

ということで、今、初出勤目前にして広告の出稿に向けて広告動画を作ったり、設定を調べたりしている。

結局やるんかーい!

 

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